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北欧暮らし。色んな人の色んな目線で。

rie - 【修正版】自分の体をつくる食材にはやっぱり気を付けたいよねって話

(こちらの記事は、11月19日に投稿したものを一度見直し、再編集したものです)

 

 

どうも。昨夜アパートが突然停電し、ルームメイトとふたりでパニクりました。rieです。

 

夜中の12時すぎに突如真っ暗になり、慌ててバルコニーへ行くと、アパートの電気が全部消えている。たぶん、周りにも同じことが起こっていたのでしょう。

でも不思議なことに、同じように慌てている人の様子は見受けられず。っていうかアラームなっているのに誰も出てこない。

その後夜中2時ごろに復旧したみたいですが、いったい何だったのかは不明です。のんびりしているなあ。

 

 

さて先日は、レストランデーにて出店しましたKLOKKA. × sumiya にお越しいただきました皆さま、本当にありがとうございました。

 

おかげ様で、わたしが用意したどら焼きは、ほぼ完売しました。あれだけ作ったのに、あれよあれよとなくなっていくなんて。

家の中庭でやってたから寒かっただろうに、スゴ腕バリスタたちによるコーヒーと共に、その場でお召し上がりくださった方々が非常に多く、たくさんの「美味しい!」の声をいただけて、本当にうれしかったです。

 

また、なんとなく「面白そう!」のひと言で始まったような気のする今回のプロジェクトに、様々な形で関わり支えてくれた沢山の友人に、心からの感謝。

やはり毎度のごとく仕込みは苦労しましたが、当日はあっという間に過ぎていくものですね。これでひとまず、わたしの中の大きなイベントがひととおり終わったので安心している一方で、もうしばらくこんなに夢中になることなんてないのかなあ、と思うと少しさみしくもある。またすぐやりたい。

 

ちなみに、さっきFB見てたら、次回のレストランデーは来年の2月18日だそうです。お。まだわたしもいるかも(← 下心)。

そうでなくても、興味のあるオスロ在住(またはレストランデーが開催されている都市にお住まい)の方、是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。とてもいい経験になると思います。

 

 

これまで何度か和菓子をつくらせてもらう機会をいただいてきましたが、実は大方オスロで手に入れた材料を使用しています。

さすがに寒天やら米粉はないだろうと思い、日本から持ってきたものもいくつかあるのですが、アジア系食品店にいけば、案外あったりします。高いけど。そして今のところ、そのへんは日本からの材料で足りているけど。

 

この間びっくりしたのは、とある自然派食品店の前で割引セールをしていたのでのぞいたら、なんと「KUZU」と書かれた瓶を発見。そう、葛です。

ああっ!夏だったら絶対に買っていただろう、本葛。しかも日本産。でも、安売りにも関わらず1000円以上したのでやめたのだけどね。ちょっと高すぎる。

 

おっと。すこし話が逸れましたが、それでもわざわざ一時帰国の際に買ってきた食材もいくつかあります。

そのひとつが、お砂糖です。

 

(※前置きとして、ここから書くお話は、これまでわたしが見聞きしてきたことを元にしています&あくまでも個人的な意見・経験に基づいています。また、場合によっては不快感お覚える方もいらっしゃるかもしれません。いずれにせよ、ああ、こんな見方もあるのだな、くらいに寛大な心で読んでいただけると嬉しいです。

それでも、今回の話を通して、すこしでも日常で起こっている事実に関心を持っていただき、ご自身の健康についてだけでなく、環境や権利など、さまざまな問題を考えるきっかけとなればと願います。)

 

 

お砂糖に関心を持ったのは、東京の和菓子屋に勤めていたころ。別店舗のプロジェクトで、素材をイチから見直そうという動きがあり、和菓子の基本となる水、砂糖、米などの材料を吟味すべく、色々と調べることに。

わたしたちは、連日お砂糖・甘味料について調べることになりました。

 

まず前提として、日本の砂糖の原材料は、8割さとうきびです。沖縄を始め、あったかい場所で採れます。

そして少量ながら生産されているのが、甜菜大根。こちらは北海道など寒い地域を中心に栽培されています。

 

 

これまでも、たびたびお客様から「白砂糖は使っていますか?」という類の質問を受けていて、応えるたびに「なんでだろう・・甘いものを買いに来ているのにそんなことを聞くなんて」と思っていました。

しかし、この調べを通して、以下のような事実が分かりましたのでまとめてみます(主に日本の場合ね)。

 

 

・精製された砂糖は体を冷やす

 

これは主に、日本発祥のマクロビオティックおよび冷え取り健康法に共通する考え方。

特にマクロビでは、基本的に野菜や素材の甘味を生かした料理を推奨していることもあり、砂糖は使用しません(純正の黒砂糖または甜菜糖、人によってはきび砂糖など使いますが、いずれもごく少量にとどめられる場合が多い。それも人によります)。

 

それにはさまざまな理由があるのですが、ひとつ挙げるとすれば、これらの健康法によると「身体を温める食材(陽)」と「身体を冷やす食材(陰)」の考え方で食材を区別した場合、大方のお砂糖の原料となるさとうきびは陰、つまり体を冷やす食材に属するのです。

 

対する甜菜糖の原料は、甜菜大根、つまり根菜。根菜は基本的に「陽」なのです。なんでかっていうと、寒い場所でつくられる食べ物って、身体を温める作用がある。

逆にあたたかい場所に出来る植物は「陰」が多いです。身体を冷やす、汗を出すっていうもの、確かに多い気がする。っていうと実はコーヒーも「陰」なんですけどね。

 

しかし加工法・調理法によっても変わります。なのでいくら甜菜糖であっても、白く精製されてしまってはあまり意味がない。小麦粉とかも一緒。

さらには、化学物質が含まれていると、一気に体の調和を乱します。これが、わたしが白いお砂糖を使いたくない、普段の食事にも、できるだけそういうものを採りたくない原因のひとつ(といっても、完全に払拭できていませんが)。

 

身体の冷え・調和の乱れは、すべての病気の根源ともいわれるほど恐ろしいもの。身体的な話だけでなく、ストレスや環境からくる「心の冷え」もそうなのだけど。

だからといって、体を温めてばかりでは火照っちゃうので、陽8割、陰2割くらいで食事をとるのがいいみたいだよ。何事もバランスは大切。

 

そうはいっても、現代人の食事バランスに、糖分が含まれていない食事なんて、ほとんどないのではないかしら。特に外食とか、既製食品はびっくりするくらい「砂糖」って書かれています。知らないうちに摂りすぎているかもよって話でもある。

 

 

・精製された砂糖を食べない人がいる理由

 

まず言っておきましょう。人によります。考え方は人によりけりです。

ですが、精製された砂糖を食べない人が、日本にもたくさんいます。先ほど紹介したマクロビ実践者の方、ヴィーガンや動物愛護主義の方など。

 

ここまで書いて、なんで動物愛護主義者?と思う方もいるかもしれません。

 

砂糖が製品になるまでの流れって、原料や種類によって異なりますが、大方の工場などで作られているお砂糖は、

栽培→不純物を取り除く(=原料糖となる)→甘い汁をつくる(煮詰める)→遠心分離機などで粒状にする(このあと、更に焦がしたりシロップをかけて、三温糖やザラメ糖などが出来る)。

 

 

このうちの「不純物を取り除く」過程(何回かあります)の中に、石灰乳をいれてお砂糖を白くする工程がほぼ必ず含まれています。

特に日本において、その石灰が何かというと「家畜の骨(牛骨)」なのです。 

 

これ、実はわたしが使っている日本の甜菜糖にも該当するみたい。超ショックです。

とはいえ成分表がないので事実はわかりませんが、石灰乳の表記がガッツリある。でも、その中に動物の骨が使われているかまでは不明。そういうのも出来れば書いてほしいなあ。他の国なら明記されていることなのに。

 

 

実際、日本でお店のお菓子成分表を見ていたら、あるわあるわ、石灰(牛骨)、の表示。あ、もちろん商品の成分表には書かれていませんが、業者さんなどから届く成分表の中に、こういうことが書いてあるのです。

でもそれを、我々売り手はなかなか話せない。そんなことをお客様に言ったら、エッそんなものがお菓子に使われているんなら欲しくない、となるに決まっているからです。個人的には言いたくて仕方なかったけど。

 

牛骨自体が危険ということは、ほぼないと思います。しかし少なくとも、人間に肉だけでなく骨までを捧げる運命になってしまった牛たちのことを考えると、心が痛みます。

なのに飽食の時代と言われ、とんでもない量の廃棄物が今も捨てられていることを考えると、更に動物たちの命が無駄になっているのではないか、と悲しくてなりません。

 

ちなみに、さとうきび由来のものでも、純粋な黒糖や赤糖など、古来の伝統的な製法で作られているもの(含蜜糖といいます)は、マクロビ的にも比較的陽性とのこと。工場製品のように、不純物といいながら天然ミネラルまで取り除いちゃっているわけではないので。

あと和菓子で有名な和三盆もいいですね。高いけど、伝統技術者が減っていく世の中で、いつまでも伝わり続けてほしい伝統技術って、案外たくさんあるものだ。

 

 

そして、気になって調べたら、ノルウェーおよび周辺諸国で幅を利かせている(?)お砂糖メーカーのHPによれば、彼らは石灰石を燃焼させて消石灰を使用しているとのこと。なるほど。少なくともビーガンに嫌われる感じではなさそうです。

わたしのいるお店では、ビーガン向けのクレープにさえ、いつも普通に粉砂糖ふっかけているから大丈夫なのかなあ、とひそかに心配していたのだけど。

しかも、主にヨーロッパでは甜菜糖が原料に使われているとか。動画もあったんだけど、なんかすさまじい量の大根ができててびっくり。それでも、あれほどのベッタリした甘味を感じるってことは、何かほかの物質によるものなのかなあ。分からないけど。

 

興味のある方、ぜひ覗いてみてください。

From beet to crystal - Nordic Sugar

  

※加工工程などは、生産者・加工者によって異なります。詳しくはご自身でご確認ください。

 

 

そんなわけで、もし、特に日本で砂糖をいただくことがあるのなら、動物の命が込められている(可能性がある)、という意識を片隅においてみて下さい。必ずしも使われている訳ではありませんが、ひとつ意識するだけでも違うと思います。

 

あ、ちなみに調べていたら、ひとまずこんな記事を見つけました(英文)。

こちらアメリカ中心の事情ですが、やはり白砂糖の漂白には牛の骨を使用している模様。EUではかなり規制しているらしいとはいえ、ここで beet suger (甜菜糖)がオススメのひとつとして紹介されています。

それにしてもすごいね、会社の名前と住所まで出して、ここのは食べないように!って呼びかけているなんて。。

Are animal ingredients included in white sugar? | PETA

 

 

 

 

 

以上、日本で調べたことに、すこし加筆する形でまとめてみました。

そうはいっても、お砂糖が白いといいことって、食事やお菓子の出来上がりに色の影響がないことです。他の素材の色をきれいに反映させることができます。

お砂糖を使わない方の中には、蜂蜜や水あめを甘味料として使用する方もいます。さらにヴィーガンなどの場合、メープルシロップや米飴・麦芽飴を使用することもあるとか。和菓子はよく、砂糖と一緒に、ツヤ出しや出来上がり・保存状態を考慮した上で水あめなどを加えることも。

 

一方で、ダイエットや健康上の理由から、砂糖の代わりに人工甘味料を使用したり、ステビアラカントなど、ほかの植物から採れた甘味料を使用する方もいらっしゃいます。こうしてみると、甘味料は実にさまざまなのです。

 

ちなみに昔の日本では、砂糖がなかったころは「アマヅラ(甘葛)」といって、蔦などつる性の植物から採れたシロップを使っていたらしい。けど面倒すぎる割に少量しか取れないので、砂糖の普及に伴い消滅。今でもどの植物から採っていたのかは明確ではないらしいけど、清少納言枕草子に書き残しているらしいよ。削り氷(=かき氷的な)にアマヅラをかけて食べたって。

 

 

ちょっと話がズレましたが、とにかく甘いものって、意外とたくさんあるんです。

でも、たとえば原産地以外で採れた植物を甘味料として使うには加工する必要があり、その加工段階で既に食材独特の栄養素が失われたり、そもそも自国の地で採れた食材ではないために、いくらスーパーフード!と叫ばれている食材でも身体に合わなかったりします。

 

それに、糖分の過剰摂取によってさまざまな病気の原因になったり。すべての甘味料にいえること。特定の病気のリスクは減ったとしても、別のところに落とし穴がある(あ!よく勘違いしている人がいるけど、糖分=糖質ではありません。糖質制限といってお砂糖を控えたりするのは間違いです。また炭水化物を摂らないのも栄養バランスが崩れてしまい危険です。気をつけましょう)。

 

では黒糖や蜂蜜は安全なのかというと実はそうではなく、含まれている特定の成分や菌は、小さい子は食べちゃいけなかったり。それを知らずに与えている人がこのご時世に多いことも、個人的には心配なんだけどね。命にかかわることなのだから。

 

だから、これはどの甘味料にも言えることですが、決して完全に安全安心なものはないってこと。

 

危険と思われる要素もたくさん書いてしまいましたが、自分に合ったバランスで、好きなものを楽しむのが一番だと思います。それが心の健康にはとてもいいからね。

 

それになんでも、せっかく食べるんなら、少しでも体と環境にやさしいものを選びたいもの。食べているものが自分を形成しているって考えたら、少なくともわたしは素材選びから気を付けたいなと思っています。

でも今回あらためて調べたら、まだまだ勉強不足だったなと反省しました。更なる努力をしていかなければね。頑張ろう。

 

実は手持ちの甜菜糖、もう切れちゃいそうなのですが、また和菓子をお作り出来る機会があれば、是非また食べに来てくれると嬉しいです。

 

 

 

 

 

最後に、今日のおやすみソング。

 

soundcloud.com

 

 

ではでは。

 

 

rie