rie - 森は食材の宝庫
どうも。rieです。
9月も半ばを過ぎ、オスロの太陽はだんだんと姿を隠し始めてきました。ああ~いかないで~~
今はまだ、わたしが朝起きる(8時前)と、すっかり日は登っているし、夕ご飯を食べている今(19時半)、ようやく暗くなってきています。
でもこれが、あと1か月もしたらあっという間に寒くなって、しばらくは朝晩の明るさも消えていくのだろうなと思うと、寂しくもあり楽しみでもあります。月が好きな人間としては、月灯りを見ながら歩くのが、またいいのですが。
気温も、朝晩はマフラーがないと寒いと感じる。う~ん、もうすっかり秋ですね。
ってなわけで、本日はわたしが大好きな場所をご紹介します。
じゃーん。
はい、森です。こあきさんもよくいろいろな森の景色を紹介してくれていますね。わたしもよく行く場所のひとつです。
オスロは電車一本、バス一本で森や湖へ気軽に行けるのがいいところ。訪問者向けに分かりやすく整備されているところもありますが、基本的に木を切り崩したりしている場所は少なくて、自然のありのままの姿を活かした状態になっています。
そしてもっと魅力的なのは、こういった森たちで、季節によってさまざまな食材が採れちゃうということ。
聞いた話によると、少なくともノルウェーの場合、私有地で育てているものでなければ、自然になっているものは誰でも採っていいのだそうです。それってすごいよね。
日本ならきっと、訪問者からお金を取ったりして、ビジネス化してしまうでしょう。でもこちらでは、自然を占領したりなんて、まずない。そこもまた素晴らしい。
わたしは今まで何度か友人に誘ってもらい、季節ごとに変わる森の表情を楽しみつつ、旬の食材を採ってきました。
春先は、日本でも採れる山菜、こごみと蕨を。特に蕨はノルウェー人にとって食べる習慣がないらしく、けっこうモリモリ採れました。
↑アジア食料品店で、わざわざうどんを買ってきた。はんぺんみたいなのはfiskekakeといって、白見魚をすりつぶしたハンバーグ状の食べ物です。
そして夏は、以前の記事にもありましたベリー摘みを。あ、ここで獣道へ進みたがったのは何を隠そうわたしです笑。
ちなみに、わたしは縁あって一時期だけ住まわせてもらっていた友人の家の裏庭?公園?で、ありったけのラズベリーを摘んではヨーグルトに混ぜたり、ジャムにしてワッフルにかけたりしていました。
いやあ、あそこはあたり一面がラズベリーの木だらけでしてね。あれは至福でした。
↑ラズベリー以外にも、ブルーベリーと、謎の実(これは結局あまり食べなかった・・)も。こちらのブルーベリー、ずいぶん小ぶりだなと思って調べたら、ビルベリーといって、よく日本で見る大粒のブルーベリーよりもアントシアニンの含有量が格段に多く、健康にいい果実だと言われているんだそう。
ちなみにベリーの旬は種類によって少しずつズレていて、この他にも赤スグリ、黒スグリ、セイヨウスグリ、リンゴンベリー、アロニアなどなど。すべて野原や森で採れます。すごいねえ。
中にはあまり聞きなれない名前も多いですが、日本ではすでにジャムやジュースなどに加工されて売られてることが多いからなのかもしれません。
そして、いま、秋。といえばこれ。
きのこ。ノルウェー語ではSopp と言います。かわいい響き。
これらが森にい~~~っぱい生えているのです。きのこ大好きなわたしにとっては、もう本当ありがたい季節です。
でもね、ベリーは自分でもなんとか見分けがつきますので大丈夫なのですが、きのこばかりはね。中にはヤバキノコもたくさん生えてますし、判別が付けられる自信は全くないので、今のところはキノコ狩りに慣れている人(主にルームメイト)に連れて行ってもらっています。
そして、先週末に行ってきました。日曜日だし、他にもきのこ目当てで森へ入っている人もいたのでどうかな~とは思ったものの。
結果。
およそ1時間半の滞在でしたが、なかなかの量が採れました。万歳。
あ、ちなみになのですが、左下のナイフはこの間のストックホルム旅行で見つけました。これ、キノコを切って中身を確認したり、持ち帰る前後に反対側のブラシで土やゴミを払うことのできるスグレモノ。
1回目に行ったときはこれを持っていなかったのだけど、今回はこのナイフのおかげで処理が比較的簡単に済みました。嬉。
もちろん、きのこにも旬がありまして、前回はもうすこし早い時期に行ったこともあり、Steinsopp(stein:石 + sopp:きのこ) = ポルチーニ!!とかも採れました。今回はもう時期が終わってしまったみたいで、ひとつも見つからなかったけれど・・
で、今回収穫したsoppたちをまとめてみました。
あ~かわいい。かわいい上においしいなんて。幸せやね。
それにしても、いろいろな種類のきのこがいるんだな、と改めて感心しました。
真上から時計回りに、おそらくもう採り収めであろう rimsopp(霜きのこ)、色とりどりの kremle sopp、茶色い kusopp(牛きのこ)、黄色いkantarell、カサが黒っぽい traktkantalrell、白い sausopp(羊きのこ。刻んでしまった)、そして中央が piggsopp(スパイクきのこ) です。
名前はすべてノルウェー語で教えてもらったので、全種類の日本語訳が分かりませんが、直訳したやつ全部かわいい。日本でも見かける機会があるのは kusopp=アミタケ や kantarell=アンズダケ かなあ。
特に kantarell と steinsopp はストックホルムのあちこちで大量に屋台販売されているのを見かけたし、今回のきのこ狩り中に話しかけてきたノルウェー人のおばさまにも「あ!あなたの目の前に kantarell があるわよ!」と言われた程なので身近なのかと。まあコイツ黄色いからすぐわかるってのもあるのかしら。とにかく、見つけてくれてありがとうおばさま。
この中で個人的に特に面白いなと思ったのは、右上の kremle soppたち。カサの色がみんな違うけど、みんな同じ種類。道に突然ポコッと生えていることが多く、いわゆるきのこらしい形をしている。
これ、ルームメイトに聞いたら、持ち帰る前に味見をしていました。いい香りが口の中に広がればオッケー、でも中にはピリピリっと辛いものもあって、それはどう調理しても辛いままなので採らないらしい。美味しいやつは生でもいけるって。
もしカサの色が赤や紫だと、辛い傾向にあるとのこと(※ただし見た目が似ている毒キノコもあるので、確実にkremle soppだと断定できない段階では味見どころか採らないほうが吉、らしいよ。そうね、何かあったら怖いものね)。
これらは乾燥させて出汁を取ったり、オイル漬けにして保存したり。もちろん採ったその日にそのままの状態で調理して食べるきのこは格別においしいのです。ああ、森の恵みのありがたさよ。
そんな奥深いきのこの世界。今回収穫した種類のほかにも食べられる種類はまだまだあるし、これからのシーズンに生えてくるきのこもあるらしいので楽しみ。
また同じノルウェーでも地域や生えている木の種類、気候などによって採れるきのこも変わるらしいので、遠足もしてみたいなあ。って、きのこに全てを捧げようとしている。
オスロに住んでいると、東京に住んでいたころに比べて断然森へ行く頻度が増えます。そして、こうやって自らの足で食材を採って頂くことで、自然の恵みへの感謝の気持ちを改めて思い起こすことができるので、とてもいい。
もちろん、普通にお散歩へ出かけたり、家族や友達とアクティビティをして楽しむのもいいですね。とにかく自然とうまく付き合う生き方が出来るノルウェー、すばらしいです。
みなさんも、オスロへ訪れる機会があったら、ぜひ近くの森にも足を運んでみて下さい。
最後に今日のおやすみソングを。
ノルウェーの歌姫、Auroraちゃん。彼女の透き通る声はこういう曲で特に活きるような気がするのです。でもノリノリになってきたときのダンスも気持ち悪くて大好き(悪口ではない)。
Aurora - Through The Eyes Of A Child (Live) - Stripped (Vevo UK LIFT)
ではでは。
rie